人気ブログランキング | 話題のタグを見る

理由を考えるということ

自分にとって譲れないポイントは何か。
長々と足掛け五年もかかった家づくりで
一番考え続けたことです。

いいなー、とは誰でも思いますが
なぜ自分はいいと感じたのか、という考察を
他の人はあまりしてないのかな、と最近感じてます。
せっかくのヒントなのに勿体無いと思ったので、
自分の場合のことを書いてみたいと思います。
*長文ご容赦。

素朴な自分の感想を掘り下げて考えることで
次に何かを見るときは明確に判断ができるようになります。
逆に分析しないままだと
いいなーと思うだけで
いつまでも判断ができずに決められません。
特に土地を決めるときにこれは顕著でした。
なんせ現地到着後、一時間で買ってましたから(笑)

30件近くの物件を見る過程で、
分析をほぼ終えてたタイミングだったこともありましたが
条件は8割満たしてたので残りは決断のみ。
決めてあった条件も理想の条件でなく、必要最小限の譲れないコアな条件を設定する。
自分が意識的に求めてる条件ではなく
無意識に反応している条件の理由を考える。
そうしないと表面上の条件に
自分自身が振り回されてしまいます。
そこのとこまで考えるのが大事だと思ってます。


私の家づくりの経緯から一例をあげてみますと…

始めは住宅展示場からスタート。
最後は伊礼さんの家。
その過程で何を考えてたらこうなったか。

ハウスメーカーの家は雑誌でみるといいけれど、
実物を見てもどうもしっくりこない。
カタログ上は悪くないことを書いてあるし
きっとコストパフォーマンスはいいんでしょう。
でも気に入りませんでした。

まず、なにが気に入らなかったのかを考えました。

そもそもモデルハウスなので
設計がよくなかったのでしょうが
その時はそこまでわかりません。
天井は高いし、耐震性も高いからいいんでは?と思ってました。
それらを除いて気に入らなかったところを洗い出してみたら
分かりやすいポイントとして
素材感が気にいらないんだと分かりました。
つるつるしてて、しっとりがない。
そこが自分にとって譲れないポイントと理解したのです。

しばらくしてスローハンドさんのオープンハウス。
無垢の床や柱の雰囲気に驚き
ハウスメーカーにはない落ち着きが魅力でした。
色々話を聞くとカルチャーショックを受けた感じでした。

なにが気に入ったのかを考えてみました。

家のほとんどが素のままの素材を活かしていて
表面だけ取り繕った感じがなかったかなと。
つまり素材感がよいという感覚は
ものをシンプルに扱ったかどうかだと感じていると理解したのです。

あとは手触りがいいのも気に入りました。
これも皮膚感覚で気持ちいいと感じられることが
その場にいることの気持ちよさに直結することなんだと理解したのです。

その後、身体感覚の気持ちよさを優先して家のことを考えたり、
オープンハウスで意識して感じるようになりました。
だからこそ空気循環と全館暖房が欲しくて
OMもコスト削減のためとしてもカットできませんでした。

実際住み出してからの感想としても
すごく暖かいというものではないけれど
家中のどこにいってもほぼ同じ温度というのは
部屋を移動するたびに身構える必要がないので体が楽です。
やはり導入してよかったと感じてます。

自分の求めてることが分かってきたころ
伊礼さんのワークショップが開催されました。

中と外が緩やかに繋がる構成、
さまざまな素材の使い分け方、
視線や音の抜けを意識した空間の作り方…
自分が求めている、と理解したことの
集大成に出会ってしまったのです(笑)

自分の求めてるものが
目の前にぽんぽんと置かれていく感覚は
まさに贅沢の限りです。
ある意味、逃げ道を塞がれたとも言えます(汗)

伊礼さんという建築家と出会えたという幸運はありますが
それも自分の求めてることを整理してきたから
伊礼さんの設計がいい、と判断できたと思います。
もし、これがなんとなくでいたならば
せっかく伊礼さんに会っても
この人だ、と即答できなかったと思います。
家づくりに満足している人たちは
それぞれの求めているものはバラバラでしょうが
きっと、この即答ができた人たちなんだろうなと思います。
それくらい自分のことを考えるのは大事…だと思っています。

他にも色々な面から考えることは多かったのですが
分かりやすい例だとこんな感じです。

物事を感想だけで終わらせない。
次のアクションを起こすための糧にすべき。
そのためには考え抜くことが必要。

まとめると以上の三行ですかね。
個人的な考えなので恐縮ですが
もし何かのご参考になれば幸いです。





ということを大事だと考える自分自身の求めてるのは何か、と考えるのも大事です。
つまりエンドレスに考え続けるハメになりますので
考えすぎには十分ご注意ください(笑)
by hamahama77 | 2011-02-14 23:01 | お家 | Comments(0)


<< 雑誌掲載 ホテル巡礼の旅 >>